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「祭さん、お仕事です」 にこにこと、前を向いたまま国後は祭に話しかけた。 何しろ運転中だ。運転中に横を向いてはいけない。 「いやあ、なんかすごいことになっちゃいまいしてね。日本が沈みそうです」 「あの、話がよく……?」 授業の途中でいきなり呼び出され、半分誘拐されたに等しい祭は、車の中で、更にわけが分からない説明を聞かされていた。 「神様が起きてきそうなんです」 「はあ……」 「起きてきたら、好き放題やってる人間は怒られてしまいます」 とても嬉しそうな口調で国後はあとを続ける。 「だから、神様には、眠っていて頂かなくては」 彼の話を総合すると、つまるところこういうことだった。 古より日本に在る『龍神』。 彼の竜は生態系の頂点に位置し、竜が在ることで人間は増えすぎることはなかった。 しかし何故か忽然と竜は姿を消した。誰かが封じたのか、自ら封じられたのか確かに神は永い、永い眠りについていた。 だが、眠りは永遠ではなかった。 当然だ。それはまだ、生きているのだから。 千年もの間、何も食べず身動き一つすらせずに、それでも力衰えることなく息をしている。 「なのにこの前、その封具を落としてきちゃったんですよねー」 なぜか、やたらと明るい。 「しかも、絶対に発動しないはずのアーヌルスが動いちゃってます」 「それって、あの、」 祭はもう、どう反応して良いのか分からない。 まあ、国後は祭がどう答えるかなど、まるで興味ないように一人で喋ってゆくので、構わないのだろう。 「でも、最近は科学も進んでましてね。龍神といえども、決して絶対の存在ではないことが分かっているんです。 祭さんと同じ種の生物なんですよ。ほら、中国では同列に考えられているくらいですし。 ただし、遙かに頑丈みたいですけどねえ」 「はあ…………、どれくらいなんですか……?」 いい加減もうどうでもよくなってきている、祭。 それに対して国後の答えは実に軽快だ。 少し考えてから告げる、 「そうですねえ、……核弾頭を五、六発打ち込めば、たぶん、死ぬんじゃないでしょうか、」 |