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 コラガカイナニイダクモノ  
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+ 7:公僕と伝説 +


 
「祭さん、お仕事です」
 にこにこと、前を向いたまま国後は祭に話しかけた。

 何しろ運転中だ。運転中に横を向いてはいけない。
「いやあ、なんかすごいことになっちゃいまいしてね。日本が沈みそうです」
「あの、話がよく……?」


 授業の途中でいきなり呼び出され、半分誘拐されたに等しい祭は、車の中で、更にわけが分からない説明を聞かされていた。
「神様が起きてきそうなんです」

「はあ……」
「起きてきたら、好き放題やってる人間は怒られてしまいます」
 とても嬉しそうな口調で国後はあとを続ける。
「だから、神様には、眠っていて頂かなくては」


 彼の話を総合すると、つまるところこういうことだった。
 古より日本に在る『龍神』。
彼の竜は生態系の頂点に位置し、竜が在ることで人間は増えすぎることはなかった。
 しかし何故か忽然と竜は姿を消した。誰かが封じたのか、自ら封じられたのか確かに神は永い、永い眠りについていた。
 だが、眠りは永遠ではなかった。

 当然だ。それはまだ、生きているのだから。
 千年もの間、何も食べず身動き一つすらせずに、それでも力衰えることなく息をしている。



「なのにこの前、その封具を落としてきちゃったんですよねー」
 なぜか、やたらと明るい。
「しかも、絶対に発動しないはずのアーヌルスが動いちゃってます」

「それって、あの、」
 祭はもう、どう反応して良いのか分からない。
 まあ、国後は祭がどう答えるかなど、まるで興味ないように一人で喋ってゆくので、構わないのだろう。



「でも、最近は科学も進んでましてね。龍神といえども、決して絶対の存在ではないことが分かっているんです。
祭さんと同じ種の生物なんですよ。ほら、中国では同列に考えられているくらいですし。
ただし、遙かに頑丈みたいですけどねえ」
「はあ…………、どれくらいなんですか……?」

 いい加減もうどうでもよくなってきている、祭。
 それに対して国後の答えは実に軽快だ。
 少し考えてから告げる、



「そうですねえ、……核弾頭を五、六発打ち込めば、たぶん、死ぬんじゃないでしょうか、」

 

 

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